今回は経営者がすべき資金配分を考えたいと思います。ここで私のいう資金配分とは事業を行って獲得した資金(フリーキャッシュフロー)の配分をどうするべきかということです。
事業を行って獲得した資金(フリーキャッシュフロー)を経営者がする配分の方法には以下の3つがあります。
@新規事業や新規市場への投資
A自己株式の取得
B株主への配当
バフェットの率いるバークシャー・ハザウェイは基本的には配当を行いません(1回のみ例外があります)。この理由は上記の3つを使い分ける明確な判断基準があるからです。
まず、この判断基準を考える前に資金を使用する根本的な基準を考えてみます。その基準とは資金をいかに効率よく運用すること、すなわち投資の利回りを高くなるように資金を配分することにあります。
そのような基準で考えてみますと上記の3つの方法をいかに使い分けるかがおのずとわかってきます。それは株主が要求する運用利回り(ここでは株主の要求する運用利回り=現在の事業の収益率と合理的状況を仮定します)より新規事業などに投資することの収益率(運用利回り)が高ければ@を選択し、株主の要求する運用利回り(=現在の事業の収益率)より高い新規事業などの投資の機会を見つけることができなければAを選択することになるのです。なお、Aの自己株式を取得することは自己の事業に(再)投資することに他ならないのです。
ここでBは本来どのような場合に選択すべきかという疑問がわいてくるかと思います。Bは株主の要求する現在の運用利回り(=現在の事業の収益率)より高い運用利回り(=事業の収益率=ROEと考えると分かりやすいと思います)がその企業の外部にしかみつけることができないと経営者が考えたときに株主に資金を返す手段と考えればわかりやすいかと思います。
バフェットはこれだけではないと思いますが自分の運用に自身があることから配当することは基本的には行わないのです(もちろん、配当すると所得税がかかってしまうことも配当しない要因のひとつの可能性もありますがここでは話を簡略化しています)。
また、このように資金を合理的に配分している企業に投資することが投資家としては重要であり、おのずとROEや純利益率を重要視する結果となるのです。


2008年06月15日
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